書店に就職しようとする人へ
書店志望の方へ
某公共放送を見ていたところ、某書店のどうしようもない*1現状を目の当たりにしました。「あんな面白くない書店の為に貴重な新卒カードを切るほど馬鹿なことはない」と思うので、自分の書店就職活動経験*2を交えつつ、妄言を吐こうと思います。
書店に就職しようとしている人に伝えたい事が二つあります。
- 書店に勤めて何をやりたいのかを明確にするべし。
- しっかり企業研究して、それができる書店を探すべし。
非常に当たり前の事ですが、これをしっかりやらないときっと後悔します。
「本が好きだから書店で働きたい」なんて漠然とした志望動機は、いずれ貴方の身を滅ぼします。なぜなら、貴方が「書店ならこんな仕事ができるはずだ」と思っている仕事は、会社によってはできない可能性があるからです
2極化する書店
私が就職活動で受けた書店は、大きく2種類に分けられました。一つは売り場担当からじっくりマネジメントへと進む書店、もう一つはすぐマネジメントに回される書店です。
書店員キャリア
売り場担当からキャリアプランを積んでいく書店の一例として、神保町に本店のある書店があります。1年前の事なのであいまいですが、確かそうだったと記憶しております。
マネジメントキャリア
後者の例として、某流通系の書店があります。この会社は説明会で「すぐに店長になれる」ことを押していました*3先輩紹介で出てきた人は、2年目で店長でした。業務は棚弄りではなく、バイト・パート調整などのマネジメントがメインだそうです。初年度は店長の補佐で、2年目から店長と。さらに、さまざまな環境でマネジメント経験を積ませる為に2〜3年で転勤だとか。社員が一人もいない店もあるとか。
もう一つの例が、中部・近畿の書店です。ここも若いうちから店長を任せられるようです。番組内では、店長が「本部から平台のどこに何を置くかという指示が毎日来る」ということを説明していました。チェーンなので仕方がない部分もあるでしょうが、店の長というよりも本部の言う事を聞く機械という印象しか受けませんでした。
つまり同じ書店業界の中で、「書店員として」貴方を欲しがっている会社と、「マネジメント要員として」貴方を欲しがっている会社が存在しているのです。
会社の種類と働き方
前者のような会社では、書店員的な仕事をすることが可能でしょう。ですが、後者のような会社では 書店員的な仕事をする事は難しいでしょう。
書店員的な仕事がしたくて書店に就職したのに、内定が出たのが後者のような会社であったら悲惨です。ただでさえ金銭的・将来的に厳しい書店業界に就職したのに、やりたい事ができないなんて生き地獄です。このような最悪の事態を事前に防ぐ為に、自分が書店で何をしたいのかを明確にする必要があるのです。
このご時勢で書店に就職したいと考えている人には幸せになって欲しい。若き書店就職希望の人が、自分のやりたい事ができない書店に勤めることのない事を願っています。