Cisco製スイッチの型番の見方
今更ながらのまとめです。書かないとしっかり覚えられない。多分あってる。Nexusシリーズはちょっと自信がない。
昔のモデルだとこの法則に当てはまらない物もあるので、ヤフオクなどで購入する場合はちゃんとググりましょう。
Cisco製スイッチの型番は、ぱっと見ただけで機能が分かって非常に便利なので、ちゃんと覚えておきたい所です。
型番が示している内容
Cisco製スイッチの型番は、おおよそ下記の[]で囲まれた区分に分かれています。それぞれの区分が示す項目は下記リストの通りです。
WS-C[2960][S]-[48][T][D]-[L]
Nexus[22][48][T][P]
シリーズ
ここは色々ありますよね。2960なり3750なり。Nexusだと22=N2K(FET)や55=N5Kなど。
モデル
- 無印 : FastEthernet
- G : GigabitEthernet
- S : FlexStack対応
- C : コンパクトモデル
- V2 : グリーン対応
- X : XPS対応
Gが付いているとダウンリンクがGiga対応、ついていないとダウンリンクは100Mです。ヤフオクでGETする際はご注意を。例えば、WS-C2960-24TC-Lは、ダウンリンクが100Mしか出ません。SとXはGがついていないけどGiga対応です。V2はざっくり説明するとエコモデルです。
ポート数
利用可能なダウンリンク数です。Nexusシリーズは、拡張モジュール搭載後のポート数の場合もあります。
ダウンリンクの種類
- T : カッパーのデータのみ(catalystシリーズ)
- L/P/LP/FP : PoE給電(catalystシリーズ)
- S : SFP(catalystシリーズ)
- T : カッパー(Nexusシリーズ)
- P : SFP+(Nexusシリーズ)
- UP : SFP+&ユニファイドポート(Nexusシリーズ)
PoEは給電ポートの数や能力によって文字が変わります。PoEはあまり関わりがないので詳しくありません。。。
Nexus2248PPはダウンリンクがSFP+なので、LANケーブルは一切刺さりません。LANケーブルを使いたければ、Nexus2248TPにするか、カッパーのSFPを使いましょう。
UPはユニファイドポートの事です。Nexus5548UP/5596UPは、従来のEthernetだけでなくFCやFCoEにも対応できるオールマイティ系女子です。*1
アップリンクの種類
SとDの違いは、SFPかSFP+かです。SFP+だと10Gに対応しています。C(デュアルパーパス)は、アップリンクとしてSFPとカッパーが両方ともついていて、どちらのみ利用可能な形式です。SFPを使うとカッパーのNICは使えません。なお、N5Kにはアップリンクという概念がないので、この項目は存在しません。
IOSの種類
- S:LAN Lite (2960系)
- L:LAN Base
- S:IP Base (3550/3750系)
- E:IP Services
IOSの種類です。種類によって利用できる機能が大きく違うので、購入の際にはカタログをちゃんと見ましょう。L2SWでLink State Trackingをしたければ、LAN Baseが必要です。L3SWでBGPを喋りたければ、IP Servicesが必要です。
実際の型番を見てみる
Nexus2248TPとNexus2248PPの違い
ダウンリンクがカッパーかSFP+か
Nexus5548PとNexus5548UPの違い
SPF+のポートがユニファイドポートに対応しているかどうか
アスキーアートで覚えるネットワークの仮想化(Edge Virtual Bridging)
IT業界は略語が多いです。テキストを読んでもイマイチ覚えられません。「やっぱりアウトプットが大事だよね」という事で、後々まで覚えていそうなアスキーアートを用いて、調べた事をアウトプットしようと思います。多分あってる。
■ただの仮想環境
⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!! ←VM ⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!! ←VM ⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!! ←VM _________________ <○√ ‖ ←CPU(仮想スイッチ) くく しまった、ここはVM間通信が多い物理サーバだ! 俺が支えてる間に別の物理サーバにvMotionしろ! 早く!早く!俺に構わず逃げろ
同一物理サーバ内のVM間通信は、物理サーバ内の仮想スイッチで処理される。という事は、VMの集積率を高めれば高めるほど、仮想スイッチで小難しいほどをすればするほど、物理サーバのリソースが仮想スイッチのトラフィック処理に割かれてしまう。それほどVMが動いていないのにCPUがカツカツみたいな事になってしまう。
「これでは仮想化にした意味がない、困ったな」と言う事で出てきた解決策が「VEB」と「VEPA」です。
■VEB (Virtual Ethernet Bridge)
⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!! ←VM ⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!! ←VM ⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!! ←VM _________________ <○√ <○√ ‖ ‖ <助けにきてやったぜ!もう安心だ! くく くく ←物理NIC(CNA) CNAさん!!
仮想スイッチがやっていた処理を物理サーバのNICにお任せする方法。こうする事で、物理サーバのリソースをVMの稼働に専念させる。既存のNICは対応していないので専用のNIC(CNA:Converged Network Adaptor)を導入する必要がある。
■VEPA(Virtual Ethernet Port Aggregator)
⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!! ←VM ⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!! ←VM ⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!!⌒Y⌒(。A。)!!! ←VM _________________ ~| \○ ‖\ 大丈夫か?BOY? <○> ‖/ ←ネットワーク機器 ‖ / | >> \ | さすがネットワーク機器さんだ!!
仮想スイッチがやっていた処理を、物理サーバが接続されているネットワーク機器にお任せする方法。こうする事で、物理サーバのリソースをVMの稼働に専念させる。VM間の通信は、物理サーバを一度出てからネットワーク機器で折り返す形になる。普通のL2SWは折り返し(受信したポートへ送信する)が出来ないので、対応している機器を利用する必要がある。サーバ側のNICもCNAに変更する必要あり。
論理的には各VMがネットワーク機器に直接接続されているように見えるので、従来はサーバ側で実施していたVM用ネットワークの管理をネットワークエンジニアにお任せ出来るのも大きなポイントです。
VEPAの実装方法としては、仮想マシンのMACアドレス(vMAC)を使う方法と、物理サーバ内で専用のTagをつける方法(VN-Tag)があるみたい。VN-Tagに関しては、今度行くNexus1000Vのセミナーで機会があれば聞こうと思います。
VyattaでIHANet(IPv6でBGP)
4月から異動になった職場が、IPv4/IPv6のデュアルスタック機器でAS運用をしていました。「やべ!BGPなんて大まかな動作しかわからん。しかもIPv6でBGPかよ」という事でテキストベースで勉強してみたものの、こういうものは実際にやってみないと良くわからないものです。
dynagenというエミュレータを使い、一人でAS運用をすることも出来ますが、Peerとのお付き合い?的な事も体験したい。そんなこんなで色々と調べてみると、IHANetという事をしている方々がいらっしゃるらしい。「これだ!」ということで、IHANetに参加するまでにやったことをメモします。
IPv6アドレスの調達
インターネットの出口がリビングにしかないので、嫁がいるリビングに機器は置きたくない。うるさいし電気代もかかる。自宅ラボはマジで憧れ。
色々調べたところ、さくらインターネットが6rd方式でIPv6接続サービスを提供していました。しかも、/64でPrefixを委譲してくれる。さくらのVPSを利用すればリビングに機器を置く必要もなくなるので、さくらの6rd+さくらのVPSでIPv6と接続機器の筐体を一挙調達しました。BGPが喋れる機器を購入して自宅で動かしっぱなしにする費用と比べたら、VPSの月額料金の方が安いはず。。?
接続機器の選定
会社はCisco機器なのでVPS上でdynagenを動かそうかと思ったのですが、外部のサーバにIOSを入れてdynagen動かすのはちょっと気が引ける。また、6rdに対応しているIOSは、dynagenがサポートしている筐体に入れられないっぽい。ということで、今流行り?のソフトウェアルータ「Vyatta」を選択した。Vyattaは使った事がないけどこれも勉強という事で。Linuxベースだから、Vyatta以外にも色々出来るはず?bindとか。
Vyattaの設定(6rd)
さくらが公開している方法でしゅくしゅくと設定した。設定完了後、ipv6.google.comにPingが飛んだので、無事6rdでIPv6をゲットできたみたい。
Vyattaの設定(BGP)
Ciscoの設定を思い出しながらVyattaを設定をしていた所、IHANetのIRCでPeeringさせて下さる方がいらっしゃっので、その方とGREトンネルを張ってPeeringを試みた。しかしながらそう簡単には経路交換できず。。。
- 失敗その1
NeighborとのStatusがESTABLISHにならない。ずっとidleのまま。/var/log/messagesを見たところ、Bad BGP Identifierのメッセージが頻出していた。設定を見直した所、Router-IDが未設定でした。。。なんという素人。Router-IDを設定した所、Statusは無事ESTABLISHになりました。
- 失敗その2
Neighborと経路交換が出来ない。色々と試行錯誤し、Neighborの箇所でもaddress-family ipv6-unicastを設定した所、経路交換が出来た。
自ASの運用ポリシーの策定
ただPeeringをするだけでは面白くありません。ASとは自律システムですから、「自らを律する為のポリシーを決めた方がカッコよくね?」という事で、色々なドキュメントを見ながら運用ポリシーを考えました。
- ポリシーその1:Peerに迷惑をかけない。
不要な経路は広告しない。自ASから広告する経路は最長の/64のみとする。
- ポリシーその2:不要な経路は受け取らない。
受け取る経路はPeerさんが広告した経路のみとし、IHANet上に存在しえない経路(文書作成やサイトローカル、リンクローカル、マルチキャスト)は受け取らない。
今後は、Route-mapやas-path-listを使ってこのゆるいポリシーを実装しながら、Peerさんをどんどん増やそうと思います。
#nwstudyの勉強会に参加しました。
#nwstudyの勉強会(LINK)に参加しました。こういう勉強会は初めてでしたが、良い経験になったと思います。以下、諸々の感想です。
1.ノートPCを持ってきていない=マイノリティ
持ってない人から数えた方が早いとは。。。恐るべしIT系男子。
2.NWエンジニア=マイノリティ
#nwstudyなのに、NWエンジニアが全体の1/4くらいとは。。。ここでもマイノリティ。。。
3.「仮想スイッチはどっちが管理すべきか問題」は面白い
ここ最近で携わった案件だと、仮想スイッチはサーバエンジニアが管理していました。個人的には、Nexus1000V的な技術を使って、NWエンジニアが担当した方が良いかなと思います。責任分界点であったNICがサーバの中まで入っていったなら、NWエンジニアも一緒について行くのが自然かなと。
4.サーバ擬人化エバンジェリスト、マジカッコイイ。
やばい、マジカッコイイ。カッコよすぎたので、嫁をネットワーク機器擬人化エバンジェリストにしようと思う。
電子の郵便屋さんこと『しすこたん』(Ciscoルータ)
悪い男は寄せ付けない優等生『ふぉーてぃげーとたん』(Fortigate)
嫁もお絵かきを気に入ったらしく、かたりすとたん(Catalystスイッチ)とびっきー(BIG-IP)を鋭意作成中らしい。
5.担当外の事を知るのは大事
これはその通りで、常々思い知らされています。仮想化環境のネットワーク構築案件に携わった時も、仮想サーバ側の仕組みがいまいち分からず苦労した記憶があります。iSCSIって何?MPIO?ホストクラスタ?ゲストクラスタ?みたいな状態でネットワークが作れるかと言うと、作れちゃうんですけど、どう使われているのかイマイチ分からないので、障害時の影響が正確に分からない。。。
とはいえ、仕事の中で仕事以外の事に触れる機会はないので、仕事外で知識を吸収し続けるしかありません。自宅にプライベートクラウドを作るわけにはいかないので、どなたか、ネットワーク冗長化/仮想化のお話をするかわりに、仮想サーバのホットな話題やノウハウをご教示下さい。・゜・(ノД`)・゜・。
容器としての本、中身としての本
水曜日にTwitterでPostした内容(これとこれ)の整理を兼ねたエントリーです。
本の変化
本とは、肉や野菜のようにそれ単体で完結したものではありません。容器と中身が存在します。意味不明な言い回しになってしまいますが、本とは、「本」という容器に「本」という中身が入っている物です。
一昔前までは、「本」という容器と「本」という中身は分けられないものでした。ですが、情報をデジタル化出来るようになった事によって、「本」という中身は、アナログな「本」から分離し、「デジタル家電」という新しい容器にも入れられる様になりました。技術的には、液晶付きの冷蔵庫に「本」という中身を入れる事も可能でしょう。
新たな容器の普及
今日、持ち運び出来るデジタル家電は十分に普及しました。携帯電話やスマートフォン、タブレット、携帯ゲーム機などなど。これは、誰もが「本」という中身を入れられる容器を持っているとも言えます。
同時に、デジタル家電を持ち歩くという習慣も十分根付いたと思います。「本」という容器は万人に普及しませんでしたが、新たな容器達は良い感じで普及しています。
出版業界の試行錯誤
そこに容器があるならば、とりあえず入れてみたくなるのが人の性です*1。ある人は「本」をパソコンに入れ、ある人は「本」をiPhoneに入れ、ある人は「本」をNintendoDSに入れてみました。さらには、Kindleや電子ブックリーダーなどといった「本」専用の容器を新しく作る人さえ現れました。
つまり、「本」という中身がうまくマッチする新しい容器を探しているわけです。新しい容器達の中で、この容器はどうだ、あの容器はどうだと試行錯誤中です。この取り組みが上手く行けば、「本」の中身を沢山持つ出版社にとって新しい稼ぎ頭が誕生する事になります。万々歳。
しかしながら、試行錯誤ですので、上手くいかない可能性もあり得ます。試行錯誤の結果として、「本」という中身は「本」という容器にしか入らない(=技術的には他の容器にも入るけど、商売的には入れても儲からない)という結論が出るかもしれません。
さらに言うと、「ページをそのままPDFにして、はい電子書籍!」みたいな適当な試行錯誤を繰り返していると、容器と中身の相性の悪さによって、せっかく手にとってくれた読者を失望させてしまいます。せっかくの試行錯誤が自身の首を締めてしまっては元も子もありません。
というわけで、電子書籍において大事な事は、中身と容器が分離した事をきちんと理解して、読者が欲しがっている「本」という中身を、その読者にとって適切な容器に入れてあげる事だと思います。『これだ!』という容器と入れ方はまだ出ていないと思うので、今後に期待です。言うのは簡単ですけどね。
*1:なんかエロい
老後なんていらない 〜死ぬ権利
大きな荷物を持っていたので旅行帰りだったんでしょうね。帰宅時間のバス車内で、自分の事を『お年寄り』と呼び大声で話すババア軍団を見ての所感です。
当たり前への違和感
年金における『少ない若者で老人を支える絵』に違和感を感じたことはありませんか?
そもそもの話です。なぜ先のある若者が、先の無い老人を支えなければいけないのでしょうか。育ててくれた恩返しとして両親の面倒を見るのは良いとして、それ以外を支えるのは生産年齢人口にとって足枷です。『お年寄りを大切に』いう美しい言葉をそのまま信じてはいけません。倫理?道徳?なる価値感を抜きにして考えれば分かる事ですが、大切にしたお年寄りは、生産に寄与することなくいずれ死ぬのです。生産年齢人口の貴重なリソースを無駄使いしているだけです。みんなの大好きな『税金の無駄遣い』です。
こんな無駄使いが当たり前だと感じてしまうのは、子供の頃に『お年寄りを大切に』という価値観を叩き込まれているからだと思います。もはや、老人および老人予備軍による洗脳です。
若者を虐げるライフハック
昨今のお年寄りは恥ずかしくないのでしょうか。生産年齢人口に負担を掛けてまで長生きしていることが。
そうは言っても、現行制度の下だと、この生き方は何の問題もありません。後ろめたさを感じる必要もありません。政治的、社会的に認められた制度なのですから。
むしろ、ちょっとしたライフハックですよね。生産年齢人口を虐げて長生きするライフハック。これであなたも今日から病院で雑談できる!みたいな。このライフハックを使えば、老後はイージーモードです。もしくは、節約術かもしれませんね。自分の財産を使わず、生産年齢人口に金を出させる節約術。
こんな方法で老後を生きる事が恥ずかしくないのであれば、好きにすればいいです。どうぞ自身のケツを生産年齢人口に拭かせなさい。現行制度が続く限り、私も嫌々ながら支えてあげましょう。嫌々ながらも、老人のケツを拭いてあげましょう。それが民主主義です。私が出来る事と言えば、高齢者福祉の充実を第一に掲げる候補者には絶対に投票しない事くらいです。
脱制度としての死
とはいえ、現行制度のまま生きていくと、私もその醜い老人の一員に組み込まれてしまいます。私は、未来の生産年齢人口だけでなく息子娘にすら支えられたくない(=老いた私にリソースを割いて欲しくない)のです。私に使うお金があるならば、子供を沢山作って家族団欒を楽しんで欲しいのです。
そんな考えの私にとって、若者に支えられて生き長らえていく老後は、社会的な苦痛です。そんな老後はいりません。
ですから、生産年齢人口と同じ負担で家計が回らなくなった時点で、潔く死にたいです。切実に。自分のケツを自分で拭けなくなった時が死に時です。意外な事に嫁も同じ考えらしく、『おじいちゃんおばあちゃんになったら、さっさと一緒に死にたいねー』と話をする変態夫婦です。
やるおで学ぶ責任販売制その3
はじめに
お久しぶりです。その2(やる夫で学ぶ書籍責任販売制(その2) - 60坪書店日記)の最後に書いた下記の内容が具体的な動きになっているので、紹介したいと思います。参考文献は、新文化2011年1月27日(2871号)です。説明メソッドはタイトルの通りやる夫です。
日販がSCM銘柄に取る対応はおそらく2つである。
やる夫で学ぶ書籍責任販売制(その2) - 60坪書店日記
- このまま緩やかな責任販売制を維持する
- 更なる返品率減少を目指して、達成した返品率によって書店にインセンティブを支払う
いつもの注意点ですが、業界とは無関係な人が資料をもとにお送りしているので、内容が正確でない可能性があります。ご了承下さい。大筋はあっているはず、、、現職の方々、誤りがありましたらご指摘頂けると幸甚です。
1.新たな契約方式
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書店の利益率について
書店の利益率はかなり低いです。*1優良な書店でも、1000円の本を販売して最終的に10円残れば良い方です。
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Г ̄| | ● ● | | | ▲ 日販| | 私も、書店の利益率が低い事は問題だと思っている |_____|__| そこでだ、新しい契約を結ばないか? /| ||Y丶 || Θ||| | || ||| | L|-----||_L_| |___ハ_| |‖| | |‖| | ____ ━┓ / \ ┏┛ / \ ,_\. ・ 新しい契約とな?どんな契約だお? / (●)゛ (●)\ もしかして、掛率が50%になるのかお?? | ∪ (__人__) | / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Г ̄| | ● ● | | | ▲ 日販| | 本当に取引停止するぞ、、、 |_____|__| さて、本題だ。やるお書店の苦しい経営を /| ||Y丶 『PARTNERS契約』で改善しないか? || Θ||| | || ||| | L|-----||_L_| |___ハ_| |‖| | |‖| | _____ ━┓ / ― \ ┏┛ /ノ ( ●) \ ・ . | ( ●) ⌒) | PARTNERS契約? . | (__ノ ̄ / . | / \_ _ノ\ /´ | . | / | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Г ̄| | ● ● | | そうだ!!これがニッパンの新たな責任販売制だ!! | ▲ 日販| | ちなみにPARTNERSとは、 |_____|__| 下記の意味があるから覚えておくように。 /| ||Y丶 || Θ||| | || ||| | L|-----||_L_| |___ハ_| |‖| | |‖| | || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| || Profit 利益 .|| || Assure 保証 || || Responsibility 責任 || || Tripartite 三者 .|| || Needs 需要 || || Even 公正 ..|| || Reform 改革 ∧_∧ いいですね。 || Share 分配 \ (゚Д゚,,) ||___________⊂⊂ | ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ | ̄ ̄ ̄ ̄| ( ∧ ∧ ( ∧ ∧ ( ∧ ∧ | | 〜(_( ∧ ∧ __( ∧ ∧__( ∧ ∧ ̄ ̄ ̄ 〜(_( ∧ ∧_( ∧ ∧_( ∧ ∧ は〜い、先生。 〜(_( ,,)〜(_( ,,)〜(_( ,,) 〜(___ノ 〜(___ノ 〜(___ノ ____ / \ / ─ ─\ その当て字、よく考えたお。。。 / (●) (●) \ | (__人__) | / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Г ̄| | ● ● | | PARTNERS契約は大きく2つの柱からなる。 | ▲ 日販| | それが『インセンティブ契約』と『インペナ契約』だ! |_____|__| /| ||Y丶 || Θ||| | || ||| | L|-----||_L_| |___ハ_| |‖| | |‖| | ____ / u \ / ─ ─ \ / (●) (●) \ | (__人__) u | また、複雑そうだお。。。 \ u ` ⌒´ /
2.インセンティブ契約とは
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Г ̄| | ● ● | | まずは、インセンティブ契約の説明だ。 | ▲ 日販| | この契約は、ニッパンと取り決めた目標を達成した場合、 |_____|__| ニッパンが、やる夫書店にインセンティブを支払う。 /| ||Y丶 || Θ||| | || ||| | L|-----||_L_| |___ハ_| |‖| | |‖| | _____ ━┓ / ― \ ┏┛ /ノ ( ●) \ ・ . | ( ●) ⌒) | インセンティブ?なにそれおいしいの? . | (__ノ ̄ / . | / \_ _ノ\ /´ | . | / | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Г ̄| | ● ● | | 経営者なんだから、それくらい知っとけよ、、、 | ▲ 日販| | 要するに、頑張ったで賞として、金一封をプレゼントだ! |_____|__| /| ||Y丶 || Θ||| | || ||| | L|-----||_L_| |___ハ_| |‖| | |‖| | ___ / \ / \ なんと、それはすごいお! / ⌒ ⌒ \ | /// (__人__) /// | . (⌒) (⌒) ./ i\ /i ヽ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Г ̄| | ● ● | | 達成すべき目標は、返品率の削減だ! | ▲ 日販| | やる夫書店の返品率は40%だから、今年の目標は4ポイント改善の36%だ! |_____|__| この目標を達成した場合、やる夫書店にインセンティブを支払おう。 /| ||Y丶 || Θ||| | || ||| | L|-----||_L_| |___ハ_| |‖| | |‖| | ____ ヽ v / /─ ─\ -(m)- /( ●) (●)\. ≡ / (__人__) \ これまで通りにやっていたら4%の削減は厳しいお。 | | 今までの発注を減らして、返品率を下げるお! / ∩ノ ⊃ / ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ /
返品率を下げるには
返品率は、(返品額÷仕入れ額)×100で決まります。当然、返品額を減らせば(=売上を増やす)、返品率は下がります。もしくは、やる夫が考えているように、不要な仕入れを抑制しても返品率は下がります。
■現在
1000冊仕入れて、600冊販売し、400冊返品する。
(780円×400冊/780円×1000冊)×100=40%
■やるおの企み
返品になっている70冊を、そもそも仕入れない。
(780円×330冊/780円×930冊)×100=35%
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Г ̄| | ● ● | | おっと、説明しわすれた事がある。 | ▲ 日販| | 金一封の額は、やるお書店との取引額をベースに算出する。 |_____|__| 仕入れを抑制して目標をクリアすると、金一封の額も減るからな! /| ||Y丶 || Θ||| | || ||| | L|-----||_L_| |___ハ_| |‖| | |‖| | ノ L____ ⌒ \ / \ / (○) (○)\ ずるいお!ニッパンはやるおの事をお見通しだお! / (__人__) \ | |::::::| | \ l;;;;;;l /l!| ! / `ー' \ |i / ヽ !l ヽi ( 丶- 、 しE |そ ドンッ!! `ー、_ノ �堯�l、E ノ < レY^V^ヽl | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Г ̄| | ● ● | | 逆に考えろ。 | ▲ 日販| | ただ発注を抑制するだけではなく、 |_____|__| 商品をきちんと売り伸ばせば、 /| ||Y丶 金一封の額も大きくなるという事だ! || Θ||| | || ||| | L|-----||_L_| |___ハ_| |‖| | |‖| | _____ ━┓ / ― \ ┏┛ /ノ ( ●) \ ・ . | ( ●) ⌒) | ?? . | (__ノ ̄ / . | / \_ _ノ\ /´ | . | / |
返品率を下げるには(その2)
やる夫の為に、やる夫の企みとニッパンの提案を比較してみましょう。下記の通り、仕入れを抑制するだけでなく、同時に売上増加に挑戦したほうが、インセンティブの原資となる取引額が大きくなります。
■やるおの企み
返品になっていた70冊を、そもそも仕入れない。
(780円×330冊/780円×930冊)×100=35%
取引額 780円×930冊=725,400円
■ニッパンの提案
仕入れの抑制を50冊にして、返品になっていた17冊を頑張って売る。
(780円×333冊/780円×950冊)×100=35%
取引額 780円×950冊=741,000円
___ / \ kongou_aeに解説されなくても、そんな事わかってるお!!! ,---、 \ /\―、 沢山金一封がほしいから、ちゃんと頑張るお! .l l (●) (●) \ | | | (__人__) | | .| | |!!il|!|!l| / / ゝ |ェェェェ| ノ \ / / | / |
3.インペナ契約とは
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Г ̄| | ● ● | | やる気なやる夫には、もう一つの契約が合っていそうだ。 | ▲ 日販| | それがインペナ契約だ! |_____|__| /| ||Y丶 この契約も、私と取り決めた目標を達成した場合、 || Θ||| | やる夫書店にインセンティブを支払おう。 || ||| | L|-----||_L_| |___ハ_| |‖| | |‖| | ノ L____ ⌒ \ / \ / (○) (○)\ 言っている事が、インセンティブ契約と同じだお。 / (__人__) \ ニッパンはうそつきだお! | |::::::| | \ l;;;;;;l /l!| ! / `ー' \ |i / ヽ !l ヽi ( 丶- 、 しE |そ ドンッ!! `ー、_ノ �堯�l、E ノ < レY^V^ヽl | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Г ̄| | ● ● | | 説明は最後まで聞け。 | ▲ 日販| | インペナ契約では、インセンティブ契約よりも沢山の金一封を渡そう。 |_____|__| /| ||Y丶 || Θ||| | || ||| | L|-----||_L_| |___ハ_| |‖| | |‖| | ____ /⌒ ⌒\ まじかお!ニッパンはたまに太っ腹だお。 /( ―) (―)\ /::::::⌒(__人__)⌒::::: \ | | \ / | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Г ̄| | ● ● | | しかし、目標を達成できなかつた場合、 | ▲ 日販| | やる夫書店には、ニッパンにペナルティーを支払ってもらう。 |_____|__| /| ||Y丶 || Θ||| | || ||| | L|-----||_L_| |___ハ_| |‖| | |‖| | ____ /ノ ヽ、_\ /( ○)}liil{(○)\ なんと、、、 / (__人__) \ やる夫が、ニッパンに金一封をあげるのかお、、、 | ヽ |!!il|!|!l| / | \ |ェェェェ| / | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Г ̄| | ● ● | | どちらにするか選択しろ! | ▲ 日販| | 世間では、インペナ契約の方が多いぞ! |_____|__| /| ||Y丶 || Θ||| | || ||| | L|-----||_L_| |___ハ_| |‖| | |‖| | ____ , ヘー‐- 、 /ヽ / \ -‐ノ .ヘー‐-ィ /(●.) (● )ヽ ''"//ヽー、 ノ ./:::⌒(__人__)⌒::::::ヽ もちろん、インペナ契約だお! //^\ ヾ-、.| |r┬-| | やるおは勝負師だお。 ,ノ ヽ,_ ヽノヽ_)\ `ー'´ / / <^_,.イ `r‐'゙ ::::ヽー‐-..、 ,..-‐|、 \___,/| ! ::::::l、:.:.:.:.:.ヽ /:.:.:.:.| \
インペナ契約まとめ
- 返品率の削減に関する目標を、日販と共有する。
- 目標を達成した場合、日販からインセンティブが支払われる。
- 目標を達成出来なかった場合、日販にペナルティを支払う。
- インセンティブの額は、インペナ契約の方が還元率が高い。その差は倍に相当する。
- インセンティブとペナルティの額は、取引額をもとに算出される。
厳しい責任を果たした者は、相応のリターンを得られる形になっています。責任販売ではお馴染みのロジックですね。
なお、両施策の実施状況は、昨年12月末の時点で、インセンティブ契約が47法人32店舗、インペナ契約87法人59店舗となっています。これは日販の売上シェアの27.6%になります。
4.頑張るやる夫書店
___ / \ キリッ / \ , , /\ きみきみ、補充はちゃんと考えてやるんだお。 / (●) (●) \ 売れたから、とりあえずスリップ流しとけとか考えてちゃだめだお! | (__人__) | \ ` ⌒ ´ ,/ . /⌒〜" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ | ,___゙___、rヾイソ⊃ | `l ̄ . | | ↑ついこの間まで、なんとなくスリップを流していた張本人 ____ / \ 人 / \ て POSデータをチェックして、 / \ _/ \ 雑誌の定期改正を徹底するお! | (●) (●) | 売れてる雑誌は仕入れを増やし、 . \ (__人__) u. / 売れていない雑誌は仕入れを減らすお! / `⌒ ´ \ 必要な雑誌を必要な分だけ配本してもらうお! 彡三三ミY彡三三ミ\--、 | \ \\ \E | ノ ↑これまて、POSデータなんて見た事がなかった人。 〜〜〜そんなこんなで頑張るやる夫でしたが・・・・・・〜〜〜 / ̄ ̄ ̄ \ / :::::\:::/\ やる夫だけだと、やれる事に限界があるお、、、 / 。<一>:::::<ー>。 このままじゃ、やる夫がペナルティを支払う事になるお、、 | .:::。゚~(__人__)~゚j \、 ゜ ` ⌒´,;/゜ / ⌒ヽ゚ '"'"´(;゚ 。 くやしいけど、ここはニッパンに相談してみるお。 / ,_ \ \/\ \ と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;._ 、 / ̄ ̄ ̄\ / \ /\_ / (●) (●) \|l(^) もしもし、ニッパンかお? | (__人__) l(_ ) 助けて下さいお! \ ` ⌒´ /⊂) / ヽ ノ <<どうした? / ̄ ̄ ̄\ 売れそうな本の配本が少ない事があるお。 / \ /\_ 逆に、売れない本が沢山配本される事もあるお。 / (●) (●) \|l(^) | (__人__) l(_ ) <<『新刊申込み』を利用したらどうだ? \ ` ⌒´ /⊂) / ヽ ノ 『新刊申込み』?? | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Г ̄| | ● ● | | この前説明したぞ、、、 | ▲ 日販| | 新刊申込みとは、日販が事前に連絡する新刊の入荷数を、 |_____|__| 書店が自由に決められる仕組みだ。 /| ||Y丶 || Θ||| | 対象商品は限られてしまうが、 || ||| | これを利用すれば、新刊の入荷数を多少コントロールできるぞ! L|-----||_L_| |___ハ_| |‖| | |‖| | / ̄ ̄ ̄\ ありがとうだお!さっそく試すお! / \ /\_ 相談したい事は、まだまだあるお、、、 / (●) (●) \|l(^) 忙しすぎて、店頭のメンテナンスが疎かになってるお、、、 | (__人__) l(_ ) \ ` ⌒´ /⊂) <<『発注代行』を使ったらどうだ? / ヽ ノ 『発注代行』??? | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Г ̄| | ● ● | | これも説明したぞ、、、 | ▲ 日販| | |_____|__| これは基本在庫本の補充発注を日販が代行するサービスだ。 /| ||Y丶 基本在庫本とする商品は、やる夫書店と一緒に考えるから安心しろ。 || Θ||| | || ||| | これを使えば、店頭在庫の補充忘れがなくなり、 L|-----||_L_| 販売機会の損失を防ぐ事ができるぞ! |___ハ_| |‖| | |‖| | / ̄ ̄ ̄\ そういえば、最近、お客様に、 / \ /\_ 『夢をかなえるヤルオ』の5巻がないんだけど! / (●) (●) \|l(^) みたいな話をされたお、、、 | (__人__) l(_ ) 在庫管理がおろそかになって、販売機会を損失てたお、、、 \ ` ⌒´ /⊂) ニッパン、ありがとうだお!助かったお! / ヽ ノ <<がんばれ、やる夫。私は、 <<私は頑張る書店に優しいのだ!! 〜〜〜そんな努力の日々が続き〜〜〜 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Г ̄| | ● ● | | やる夫!結果発表の日だ! | ▲ 日販| | |_____|__| /| ||Y丶 || Θ||| | || ||| | L|-----||_L_| |___ハ_| |‖| | |‖| | ____ / \ / _ノ ヽ、_ \ / o゚((●)) ((●))゚o \ どきどきするお、、、 | (__人__)' | \ `⌒´ / | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Г ̄| | ● ● | | やる夫書店の返品削減率は8%だ! | ▲ 日販| | よくがんばった!目標達成!インセンティブだ! |_____|__| /| ||Y丶 || Θ||| | || ||| | L|-----||_L_| |___ハ_| |‖| | |‖| | ,.へ ___ ム i 「 ヒ_i〉 ゝ 〈 ト ノ iニ(() i { ____ | ヽ i i /__, , ‐-\ i } | i /(●) ( ● )\ {、 λ ト−┤. / (__人__) \ ,ノ  ̄ ,! i ゝ、_ | ´ ̄` | ,. ‘´ハ ,! . ヽ、 `` 、,__\ /” \ ヽ/ \ノ ノ ハ ̄r/:::r―–―/::7 ノ / ヽ. ヽ::〈; . ‘::. :’ |::/ / ,. ” `ー 、 \ヽ::. ;:::|/ r’” / ̄二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ | 答 | イ ン セ ン ティ ブ │| \_二二二二二二二二二二二二二二二二ノ ____ / u \ / \ /\ どれどれ。どのくらい貰えるお? / し (>) (<) \ | ∪ (__人__) J | ________ \ u `⌒´ / | | | ノ \ | | | /´ | | | | l | | | ____ / u \ / \ ─\ チラッ / し (>) (●) \ | ∪ (__人__) J | ________ \ u `⌒´ / | | | ノ \ | | | /´ | | | | l | | | ____ /::::::::::::::::\ /::::::─三三─\ これはすごいお、、、 /:::::::: ( ○)三(○)\ やる夫書店の経営にインパクトを与える金額だお。 |::::::::::::::::::::(__人__):::: | ________ \::::::::: |r┬-| ,/ .| | | ノ:::::::::::: `ー’´ \ | | | /::::::::::::::::::::: | | | |::::::::::::::::: l | | | これでやる夫書店は安泰だお γ⌒))⌒) )) 安泰だお ヾ __(((⌒ヽ / ⊃__ ゞ /⌒ ⌒⊂_ ヽ彡 / / ⌒ ⌒\ (⌒ミ(⌒ヽ∩/( ⌒) (⌒) |(⌒γ⌒)( ⌒) (⌒) \ ∩⌒)彡⌒) ヽ ノ| :::⌒(__人__)⌒ ::| 彡_ノ :::⌒(__人__)⌒ 〃/ ノ \ \ )┬-| / ミ ミ |r┬( / / )) (((⌒ (((⌒ )、 ヽ_ `ー‐’ ,/ / ≡ 彡 _`ー‐’ /( ⌒)ミ⌒) \ \ / / /
5.まとめ
というわけで、日販の新施策『PARTNERS契約』を説明しました。いかがでしょうか。施策の細部はさておき、責任に対するリターンが「現金」になった点が最大のポイントです。SCM銘柄は、どちらかというと満数出庫による商品確保の要素が強いのですが、PARTNERS契約は擬似的に粗利が増えるので、書店の経営改善に直結します。
また、PARTNERS契約は、書店だけでなく日販自身の経営改善にも効果があります。その1で、ニッパンが『なんで売れ残る本を書店に運ばなきゃいけないんだよ。』と嘆いていたのを覚えていますでしょうか?12月に発表された日販の中間決算は14年ぶりの増収増益でした。この要因として、責任販売による送・返品コストの減少が挙げられています。*2
なお、日販とCCCの子会社であるMPDも似たような責任販売制(チャージ契約)を実施しています。MPDはTSUTAYAの取次ですから、TSUTAYAは絶賛責任販売制です。チャージ契約についても、いつか複合書店YARUOで説明出来たらと思います。
PARTNERS契約とチャージ契約の売上を合算すると、日販の売上シェアの51.2%に達します。いずれ責任販売がメジャーな販売手法になる日も近いでしょう。
これまで続けてきた責任販売制シリーズを通じて皆様に知って頂きたい事は、『書店は変った』という事です。『書店は売れ残ったら返品出来るから楽だ。』『書店は送られてくる本を並べるだけ』という認識は決して間違いではありません。またまだそういった環境にいる店もあります。
ですが、そうではなく、自らを厳しい環境に置き、利益最大化を目指して切磋琢磨している書店もある事も知って欲しいなと思います。