返品率とか 書店編

 先日のエントリで「アンフェアだ」との指摘を受けたので、書店のやりたい放題もエントリにします。
 書店も返品率を高くすると思われる行為を行っています。それは「見込み発注」「金融返品」「閉店」の3つです。

見込み発注

 見込み発注とは、「これくらい売れるだろうー」という見込みで注文を出す事です。普通の行為のような気がしますが、委託制と結びついた時に一つの問題を生み出します。それが過剰な見込み発注です。
 書店は商品を返品できます。ということは「どうせ返品できるのだから、1冊でも多く商品を確保したほうがいい」という理屈も成立します。そして過剰な見込み発注が行われます。過剰な見込み発注は売れればいいのですが、売れなければ見事に過剰在庫となり返品されます。発注は適切に。

金融返品

 金融返品とは、取次への支払額を減らすために行われる返品の事です。売れ残ったから返すのではなく、資金繰り為に過剰な返品を行うのです。
 取次からの請求は、当月末までの送品分から当月分*1の返品を引いた金額になります。つまり、本を返せば返すほど取次からの請求が減る事になります。
 売上げが振るわないにも関わらず毎日新刊が送られてくると、請求額と売上げのバランスが崩れてしまいます。そんなに請求されても、払う金がねーんだよと。そこで金融返品を行い、請求額を支払える額にするのです。
 金融返品において、本は商品として扱われません。本は単なる金券として扱われるのです。

閉店

 閉店とは、店が閉まることです。そのままです。
 閉店は、取次の決算にも出てくる返品率悪化の要因です。店舗の在庫がまるまる返品されるわけですから。まぁこればかりはどうしようもないような気もしますが。

返品雑感

 これが返品率の原因じゃね?という考えはありますが、なぜ返品率が高いのかについての「明確」な答えは知りません。それを知りたいが為にエントリを書いている形です。どなたかのリアクションで真実に繋がる扉が開かれないかなーと。
 余談ですが、現在の高い返品率のカウンターとしてSCM銘柄などの責任販売制やRFIDが登場しています。両者の普及は間違いなく返品率の減少に寄与します。いつか出版業界全体の返品率が大幅に減少する日がくるかもしれません。というかその日が来なければ、出版業界自身が終わるような気もします。

*1:月末に返品しても当月分には認められません。10日前くらいだに取次についたものが当月分として扱われたような