どすこい出版流通

 

どすこい 出版流通

どすこい 出版流通

 出版業界のインフラ構築に尽力した田中達治氏の名物コラム*1が収録された1冊です。
 出版業界というと、作る側(出版社)と売る側(書店)が注目されます。しかし作った本を売る側に流す、売れ残った本を作る側に流すという「流通」が無ければ出版業界はなりたちません。本書には、その流通の改善に携わってきた人の思想が詰まっています。
 お恥ずかしながら、田中達治氏の事を知りませんでした。ですが、この本を読むと惜しい人を亡くしたと思います。
 この本の帯に書かれている『私は「良書」という言葉が、いや、ことあるごとに「良書」を口にする出版人が嫌いだ。』のくだりが素晴らしい。もし店頭で見かけたら読んで欲しい。

*1:筑摩書房の書店向け「蔵前新刊どすこい・営業部通信」掲載