ラノベを取り巻く現状は、そんなに好ましくないのか？
疑問
ずっと、もやっとしている事がある。
ライトノベルの新刊が、一般の書店に新刊が並ばず、出版社（レーベル）と特約店契約を結んでいる専門店に「のみ」流れ、欲しい人のところに欲しい商品が届かない現状は、好ましい状況とは言い難い。
http://blog.goo.ne.jp/skripka/e/4a488d8aa6b553110ef708967b478585
現状はそんなに好ましくないのか？と。
欲しい人の所に欲しい商品は届いている
http://blog.goo.ne.jp/skripkaさんは、何店も回った末に『らき☆すた公式ガイドブック』を無事ゲットできた。*1http://d.hatena.ne.jp/fuyuougi/さんも、地元の本屋に見切りをつけて、大型書店やAmazonで欲しい本をゲットしている。*2
私は今、文学少女シリーズ最新刊『“文学少女”と慟哭の巡礼者 (ファミ通文庫)』が す ご く 欲しい。当店に入荷した1冊は売れてしまったので、WebHotLineで発注した分が追加で入ってくるのを気長に待っている。だが、私が一般のお客さんだった場合、駅の裏にある10坪くらいのラノベばかりの10坪書店で発売日に無事ゲットするだろう。そこになければAmazonで買う。
発売日に当店で｢シャナの15巻ありますか？｣と問い合わせをしてくれたあのお客様も、きっと駅裏のラノベばかりの書店で無事ゲットしただろう。
8/10に『灼眼のシャナ〈15〉 (電撃文庫)』や『狼と香辛料〈5〉 (電撃文庫)』を買おうとしたお客様の中で、未だ入手できていない人はいますか？皆さんなんだかんだの方法でゲットして、読み終えたか積んでいるのではないでしょうか。
…非常に少ないサンプルと想像ですが、欲しい人のところに欲しい商品は届いていると思うのです。
欲しい人は動く
欲しい人に欲しい商品を届けるのは当然のことですが、欲しい人の最も近くの書店に商品を届ける必要はありません。なぜなら、欲しい人は動くのだから。
そして現状は、欲しい人が動けば、特約店や専門店そしてネット書店などで新刊をゲットできる*3ようになっている。うちの地区であれば、駅の裏に一般文芸よりラノベの棚の方が多い10坪くらいの書店があるし、電車で4つ先の駅に行けばアニメイトがあるし、帰宅途中に都心の超大型書店に寄ってくることだってできるから、ラノベの新刊は十分入手可能だと思う。
この現状のどこが好ましくないのだろうか。
返品率は下げなくちゃ
「欲しい人がいるかも」と全国の書店に新刊を撒くパターン配本は、返品率30台後半をたたき出し、下がる雰囲気は無い。一方「欲しい人は動くんだから」と集中的に新刊を流す特約店制度は、返品率20％台という奇跡的な数字をマークしたらしい。*4
返品率を下げることが至上命題と言っても良い出版業界において、この現状のどこが好ましくないのだろうか。
そうは言っても…
…まぁ新刊が入ってこない書店*5からすると、この状況は好ましくないですけどね。とはいえ、「パターン配本より特約店の方が返品率低い」｢売上げ低いでしょ？｣と言われると、返す言葉がないわけで…。
お客様も本を購入できているわけですから、「まぁいいんじゃね？今のままで」と心の片隅で思ってしまう私がいます。
あとがき というか普通の日記
全く関係ありませんが、私は、うちのような弱小書店に『“文学少女”と慟哭の巡礼者 (ファミ通文庫)』を1冊送ってくれたエンターブレインさんや、『ゼロの使い魔 12 妖精達の休日 (MF文庫J)』を4冊、新刊を毎月各1冊送ってくれる*6メディアファクトリーさんが大好きです。これら2種は無事売り切れました。これからもよろしくお願いします。
また、私の趣味と言っても良い当店のラノベ棚*7は、始めてから1ヶ月半ほどたちましたが、びみょーに売れてます。まさか、試しに置いてみた『[rakuten:book:12002906:title]』や『神様のメモ帳 （電撃文庫） [ 杉井光 ]』が売れるとは思いませんでした。文学少女シリーズは累計3人のお客様にご購入いただいたようです。全く動かなかった｢バッカーノ｣も一人のお客様が買い始めたようです。
非常にありがたい事に、駅裏にほぼ専門店みたいな店があるにも関わらず、当店のラノベ棚を気にかけてくれるお客様がいるみたいなので、ラノベ棚が潰されないよう頑張ります。
…本屋の棚って売上げだけで決まるわけじゃないよね？
今日注文した『らき☆すた―らき☆すた殺人事件 (角川スニーカー文庫)』4冊はいつ入ってくるかなぁ…。きっと売れるからさ、1冊くらい配本してくれてもいいと思うんだ角川及びニッパンさん。
