リアル書店はリアルに従事すべし

独自性の放棄

 丸善が独自のネット書店を店じまい。Amazonのインフラに丸々乗っかる形になる模様。
丸善、アマゾンと業務提携--通販から撤退し情報発信による手数料モデルに切り替え - CNET Japan

書籍販売を軸にしたネット通販では、アマゾンジャパンの存在感が高まっている。今回の事業提携により、丸善は現実的な収益面に重きを置く戦略に大きく舵を切った格好だ。

丸善とAmazon.co.jp、共同ブランドストアを8月下旬オープン

 注文を受けた商品も丸善の店頭在庫からではなく、Amazon.co.jpの在庫から発送され、物流もAmazon.co.jpが担当する。一方、丸善は書店員による書評やコメント、独自のテーマによる企画などのコンテンツ面など、ブランディングと販売促進を担当する。

 この提携によって、「丸の内本店受け取り」が出来なくなる。店舗在庫の店頭受取はリアル書店系ネット書店の唯一の特徴だと思っていたのだけど、それを放棄するわけだ。
 個人的には「ネットで店頭受取にして、書店に出向く」という購買行動に無理があると考えている。ネットで店頭受取にするくらいなら、ネット書店で注文してしまえばいい。わざわざ店舗に出向かなくて済む。また、最終的に店舗に出向かなければいけないなら、パソコンなど開かず直接店舗に寄ればいい。
 また、インターネットでの注文品を店頭で受け取るサービスをやっているネット書店もある。ジュンクとか。でもそれは7&Y楽天ブックスが大手コンビニと提携してやっている。受取店舗としては店舗数や時間から見てコンビニの方が優秀である。
 …リアル書店が独自でネット書店をやる意味あるのか?

〃〃∩  _, ,_
 ⊂⌒( `Д´) < ヤダヤダ!
   `ヽ_つ__つ   老舗なのにネット書店持ってないと恥ずかしいもん
             ジタバタ

とか?
リアル書店系ネット書店は、ネット書店に在庫がない専門書が欲しい人向けサービスか。

選択と集中

 リアル書店が片手までやっているネット書店が、本業Amazonに勝てるはずが無い。紀伊国屋よ、「送料5000円以上で無料」とかなめてるだろ…。*1
 丸善は、ネット書店の運営を大手ネット書店での提携で済ませて、リアル店舗にリソースを集中投下する道を選んだ。これが正しい道だと思う。利用者に十分なサービスを提供できて、かつ利益が出るなら、無理に自社で持つ必要は無い。システム投資は、リアル書店に足を運んでくれる人に更なるサービスを提供する為にやるべき。
 もしくは書店員のお給料に…
 インターネットでの書籍購入をBK1に丸々外注し、店頭在庫の受取サービスとWeb上でクラブ三省堂なるCRM*2を行っている三省堂は、こうなる未来を先取りしていたのかもしれない。個人的にはこれがリアル書店系ネット書店のベストの形かなと思う。
 うちもAmazonと客注で提携したいなぁorz→客注は利益を無視すべし

*1:http://www.kinokuniya.co.jp/nb/bw/FAQ.html#4

*2:非会員のため、詳細不明