書店自身の力と宿主の力

閉店しました

 当店ではなく、自宅の近くの書店が閉店しました。国道に面していて150坪くらいの店だったはず。取次はトーハンだったかな。潰れるなら当店が先だと思っていたのですが、まさか先に逝かれるとは…。
 データでは書店がどんどん潰れていっているのを知っていますが、実際に自分の知っている書店が閉店したのは初めてです。150坪+国道沿いでさえ潰れるのか…。どんだけ斜陽産業なんだ。

独立と寄生

 あの店の弱点は、本屋として独立していた事かもしれない。
 当店は、本屋として独立していません。当店は乗り換え駅(しかも一度駅を出てから乗換)という日本においてかなり強いの将軍の城下に店を構えています。駅に寄生しているといっても言い。SCや百貨店にある書店は、その店に寄生していると言えるだろう。
 でもあの店は、国道沿いに「本屋」として一人孤軍奮闘していた。だから潰れた。

寄生する書店と宿主の力

 この御時世、本屋は孤独ではやっていけないのだろう。
 本屋とは行く所ではなく寄る所だと思う。消費者は「本を買う為に外出する」のではなく、「仕事の帰りに寄る」「大学の帰りに寄る」「買い物の帰りに寄る」「出かけたついでに寄る」といった行動を取っていると思う。
 だから書店は、駅や商店街、SCに寄生しなければならない。もしくは複合化しなければならない。何かをする為に外出した消費者に立ち寄ってもらうために。
 そう考えると、書店の集客力は書店自身の力なのか?と思ってしまう。所詮、宿主の力なんじゃないのか?どれだけ棚を試行錯誤しても、結局、宿主のパワーがほぼ全てを決めるのではないか?と。

宿主に甘えまくりの当店

 つーか。こう考えないと、当店が未だに存続している理由が分からない。なぜあんなダメ店長がいる当店は潰れないのか。なぜただ商品を並べているだけの当店は潰れないのか。なぜ客へのサービスがダメダメな当店は潰れないのか。なぜフィーリング返品しまくりの当店は潰れないのか。なぜ品揃えの悪い当店は潰れないのか。
 そりゃ宿主が優秀だからだよ。
 当店は宿主の力に甘えまくってる最低の書店だ。最低は嫌なのでなんとかしようと思ってきたが、私一人で出来る事なんて限られてる。もう疲れた。何回言っても新書の新刊を新刊棚に差してくれない店長には嫌気が差した。変化を望まなずやる気の無い店長には嫌気が差した。
 にもかかわらず、POPを作ろうとしてる私はどうかしているのだろう。POPつけた『教師格差』がなんだかんだ計7冊売り切れたのにちょっと感動したからだろうか。
 できる事なら、私はhttp://d.hatena.ne.jp/hanemimi/20071012/1192217629にように宿主は弱いけど、店員みんなで切磋琢磨している店舗で働きたかった。