「リアル書店ユーザは何を見て本を買うか」と聞かれたら…

 即答します。「値段だ」と。

文芸書の現状

 帯の話(単行本の帯って、不親切じゃない? - 万来堂日記3rd(仮))が盛り上がっている?(リアル書店ユーザは何を見て本を買うか - 雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜)文芸書ですが、売れないのですよ。*1正確には「売れるものは売れるが、売れないものは売れない」という状況です。人気作・話題作がどんどん売れていく一方で、多くの商品は棚から動く事無く返品されていく。一時期狂ったように売れていたケータイ小説も完全に失速しました。
 世間はどうかと言うと、先週のBook1st渋谷店の総合ランキングTOP10*2の中に単行本の文芸書は一冊もありません。また、先週の紀伊國屋の単行本売上げベスト50*3でも、文芸書は18-19位の『楽園』と22位の『夜明けの街で』の二つだけです。
 おそらく、多くのリアル書店ユーザは、単行本の文芸書に購入意欲を向けなくなっている。文芸書は眼中に無い。きっと、物語に出せる費用の上限は、文庫の金額になってしまっている。

帯以前に

 そんな状況を見ていると、桜庭一樹の『赤朽葉家の伝説』の帯が「少女には向かない職業』の新鋭、ついに本領発揮!」であろうが「10万部突破!日本推理作家協会賞受賞作!」であろうが、誤差だと思う。そりゃ「10万部突破!日本推理作家協会賞受賞作!」の方がマシだけど。*4
 お客さんは、小説との偶然の出会いに1,785円を出さなくなっている。この状況で、桜庭一樹の『赤朽葉家の伝説』の最も不親切な所は、帯ではなく「単行本であること」だと思う。どーしようもないのだけど。
 …桜庭一樹読んで見たいんだけどなぁ。「ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)」読むか。あと、有川浩の「塩の街」3部作も読みたい。大学の生協で売ってたんだが、偶然の出会いに5,000円は出せなかった。電撃文庫で買うか。残りも早く文庫になれー。
 こんな私みたいなお客さんばっかりだから、文芸書は売れないんだろうなorz誰が悪いのかと言えば、文庫化を早めた出版社ですか…?単行本を高いと思う、低いお給料ですか?
 なんかよく分からんエントリーになってしまった。

*1:当店の在庫量が少ないってのもあるけど

*2:http://www.book1st.net/blog/ranking/010/010010/

*3:http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/best_wa.cgi?subj=tanko

*4:売れるに越した事はないのです