質量保存の法則的な。

当店が閉店したとして

 仮に*1当店が閉店したとして、当店の一日の売上げ約50万円は出版業界の中に保存され続けるのだろうか。
 バイト中にふと「あー質量保存の法則ってあったなー」と思ったので「保存」という言葉を使っています。要するに、『もし当店が閉店したとして、元当店のお客様はいつも当店で使うお金と同じ額を、他の本屋で使ってくれるのだろうか』ということです。
 もし保存される(=同額使ってくれる)のならば、当店の存在意義は全く無いわけです。正確には「あってもなくてもどっちでもいい」という事になります。パレートの法則であれば『取るに足らない多数』です。業界内で当店の閉店を惜しむ人はいないでしょう。ニッパンも「あーまた町の本屋潰れたwww ここに送ってたのを大型店に回すかwww」程度にしか思わないでしょう。

重要な少数と役に立つ多数

 逆に保存されないのなら、つまり当店がある事で、支出先が腐るほどあるお客様のお財布を出版業界に繋ぎ止めているのだとしたら、うちのような弱小書店にもそれなりの存在価値があると思うのです。また、日本を探せば、地域の方々のお財布を出版業界に繋ぎ止めている書店ってそれなりにあると思うんです。
 おそらく出版業界の売上げの大多数は、少数の大型書店やチェーン店が稼ぎ出しているのでしょう。これらは『重要な少数』であり、大切にしていかなければならないのは理解できます。取次に特販部があるのも納得できます。ラノベが特約店に集中するのもしょうがない。
 ですが、もし売上げが保存されないのだとしたら、消費者のお財布を出版業界に繋ぎ止めている『役に立つ多数』である私達に、もう少し優しくしてくれてもいいんじゃないでしょうか。

*1:といってもありえない話ではないから困る