本屋大賞への違和感

http://www.hontai.jp/
2006年本屋大賞は佐藤 多佳子の『一瞬の風になれ』に決定。
在庫無かった気がするんだけどなぁ。店長注文してるのかな…
まぁ、取次が猛烈に配本してくれることでしょう。ザ・取次まかせ。


個人的にはこの本屋大賞が好きではない。
売上に貢献してくれるから、好きといえば好きなんだけど。


http://www.hontai.jp/about.html 

その状況の中で、商品である本と、顧客である読者を最も知る立場にいる書店員が、売れる本を作っていく、 出版業界に新しい流れをつくる、しいては出版業界を現場から盛り上げていけないかと考え、同賞を発案しました。


このコンセプトはすばらしいと思う。でも、TOP10を見ると違和感を感じる。


世の書店員はそんなに本に詳しいのか?と。


10位以内にノミネートされてる作品はメジャーな作品ばかり(自分が書店員だから、メジャーと感じるのかもしれないけど)
日本中の書店員の叡智の結晶がこのメジャーっぷり。本を最も知る立場にいる書店員は、メジャーな作品しか読んでいないのですか?読者に選んでもらっても、こんな結果になるんじゃないですか?

どーせ同じになるのなら、いっそのこと読者に選んでもらったほうがいい。世の書店員が一年間に読んでいる本の冊数よりも、世の読者が読んでいる本の冊数のほうが明らかに多い。その読者の声を集計した方が、よっぽど面白い大賞が作れると思う。


POPもお客様に書いてもらえばいいんだ。
書店員がちょっと中身を見て、フレーズ抜き取って「感動しました」なんて軽いPOPを書くくらいなら、実際に購入して読んだお客様に書いてもらったほうがよっぽどいいPOPになるだろう。

出版社が送ってきたPOPを張るスペースがあるなら、そのスペースにお客様が書いたPOPを張ったほうがいいだろう。その方が、他のお客様に訴える力も高そうだ。

棚を通じてお客様同士のコミュニケーションが生まれる書店。実にいい感じじゃん。


そろそろ「書店員が最も本を知っているんだ」みたいな傲慢をやめるべきでしょ。
もちろん私も書店アルバイトの端くれですので、店内にある商品に関してはお客さまよりも詳しい自信があります。
しかし詳しいと言っても、自分が読んだ本以外はタイトルと陳列位置、どのくらい売れているかくらいしか知りません。


投票した書店員が、私のようなダメアルバイトではなく、お客様以上に本を知っているのでしたら、どうぞ本屋大賞なる高尚な企画をお続けください。
ですが、お客様と同等程度の知識しか持っていないのなら、本屋大賞ではなく「読者」大賞にすべきです。そして一般の方の投票も受け付けるべきです。


そろそろ書店は「書店員が最も本を知っているんだ」なんて自惚れを捨てて、お客様と協力して出版業界を盛り上げていくべきだと思うね。
お客様も書店員も、本を愛する「読者」なんだからさ。


というわけで、誰かうちの新書コーナーのPOPを書いてください。