「銀色ふわり」
- 作者: 有沢まみず,笛
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/07/10
- メディア: 文庫
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導入
安住春道は、雑踏の中で銀色の髪の綺麗な少女に出会う。少女は、デジタルツールを使わなければ誰からも知覚されず、誰のことも知覚する事ができない"黄昏の子供たち"と呼ばれる特異な子供であった。
彼女との出会いを切っ掛けに、"黄昏の子供たち"を知覚する事ができる春道は、“黄昏の子供たち”の研究に協力する事になり―というお話
感想
世界で完全に一人ぼっちの少女と、孤独を抱える少年が紡ぐ、ちょっぴり切ない物語です。
"黄昏の子供たち"は誰からも知覚されず、誰のことも知覚する事ができません。つまり、彼女は広い世界でひとりぼっちなのです。誰も見えず、何の匂いもせず、誰にも触れられず、何も聞こえない。
そんな少女の前に、初めて知覚できる人が現れた。少女は、知覚できる春道と一緒に生活する事で、これまで知らなかった人の温もりに触れていく。これを大事に大事にしようとする少女が非常に愛おしい。
クライマックスの、少女が春道に自らの孤独感と恐怖を打ち明けるシーンは、挿絵が素晴らしすぎることもあり、ちょいと涙腺緩みましたよ。ラノサイ杯に投票しよう。