オビ戦争
新書戦争は継続中。どの出版社も、戦場で少しでも目立とう、手にとってもらおうと必死である。
タイトル作戦はありきたりになってきた。「また、なぜ新書かよ」みたいな感じである。
そんな中、出版社の次なる作戦は「オビ作戦」である。ついていない商品の方が珍しいんじゃないか」と思ってしまうほど、最近の新刊新書は帯がついている。表紙でインパクトを与えられない分、オビで勝負していくつもりなんだろう。
「オビってレベルじゃねーぞ」という出版社さえある。
手元にある新書を見てみると、扶桑社新書は表紙の半分がオビである。*1おそらく企画当初からこうするつもりだったのだろう。なぜなら表紙デザインが半分以上をオビにする気満々だからである。
文春新書も「新書市場に乱!」などと言い出してから、表紙の半分がオビになったと思う。*2もともとこちらは半分以上オビにしても問題ない表紙デザインだし。
著者の写真や面白イラストが載っているものも増えた気がする。有名人の著書なら、顔入りはデフォと言っても良い。『ウェブ人間論』『フューチャリスト宣言』は半分オビで、顔写真満載だったはず。『とてつもない日本』は表紙の約1/4の麻生大臣が、『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?』は表紙の約1/6の大きさのひろゆきが載っている。
イラスト入りは『コピー用紙の裏は使うな!』や『つっこみ力』あたりか。
おそらく、表紙のタイトルを縦書きにしてしまった出版社は後悔しているだろう。オビを掛けられる範囲を自ら限定してしまったのだから。いっそのこと単行本版6ステインのような縦帯にすればいいのに。
最近お気に入りのオビはロシアン・ジョーク (学研新書)のもの。
わが国にジョークなど必要ない。
なぜなら、この国の存在自体がジョークだからである