誰がどれだけ本を読んでいるのか

誰が本を読んでいるのか

 論文の資料集めの為に情報メディア白書を眺めていた所、面白いデータを見つけたのでまるっと引用。引用先が参考にしているデータは毎日新聞社『読書世論調査2006年版』である。
 「最近の若者は本を読まない」本当の理由: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいるのエントリーから既に1週間が経ち、自分でもいまさら感が漂っているが、気にしない方向で行きます。

資料

図表?-2-43 1ヶ月の平均読書冊数<2005年>

年齢 単行本 文庫新書 週刊誌 月刊誌 マンガ
全体 0.8 0.6 1.4 0.7 1
10代後半 2.3 0.9 1.9 1.2 5.2
20代 1.2 0.8 2.5 1.1 2.5
30代 0.8 0.7 1.5 0.9 1.4
40代 0.7 0.7 1.3 0.8 0.7
50代 0.7 0.7 1.2 0.5 0.3
60代 0.6 0.5 1.1 0.5 0.1
70代以上 0.6 0.4 0.8 0.4 0.1
年齢 単行本 文庫新書 週刊誌 月刊誌 マンガ
男性全体 1 0.6 1.9 0.8 1.4
10代後半 3.4 1 2.8 1.1 6.7
20代 1.3 0.6 4.1 0.8 3.1
30代 0.8 0.6 2.3 1 2.1
40代 0.7 0.7 1.5 0.9 1
50代 0.8 0.7 1.5 0.6 0.3
60代 0.7 0.5 1.2 0.5 0.1
70代以上 0.6 0.4 0.9 0.5 0
年齢 単行本 文庫新書 週刊誌 月刊誌 マンガ
女性全体 0.7 0.6 0.9 0.6 0.7
10代後半 1 0.7 0.8 1.2 3.4
20代 1.1 1 1.2 1.3 1.9
30代 0.7 0.8 0.8 0.7 0.8
40代 0.7 0.6 1.1 0.6 0.4
50代 0.6 0.6 1 0.5 0.2
60代 0.6 0.5 1 0.4 0
70代以上 0.6 0.3 0.7 0.3 0.1

情報メディア白書2007,P57
引用者注:濃い部分は全体平均を上回る数値

 非常に見づらくて申し訳ない。色の付け方が分からなかった。

注意

 統計を履修していない素人がデータを読んいるので、その辺ご了承下さい。*1また、細分化している出版市場を、年齢という大きなセグメントで分析する事に意味があるのか?という疑問は絶賛放置で行きます。半分ネタとしてお楽しみ下さい。

男の方が、本を読んでいる。

 男性全体と女性全体を比較してみると、文庫は同数、他の項目は男性の方が冊数が多い。

年齢 単行本 文庫新書 週刊誌 月刊誌 マンガ
男性全体 1 0.6 1.9 0.8 1.4
女性全体 0.7 0.6 0.9 0.6 0.7

ジジババは本を読んでいない。

 60代と70台以上は全項目において、平均を下回っている。まぁ仕方ないか。

全体 0.8 0.6 1.4 0.7 1
男60代 0.7 0.5 1.2 0.5 0.1
女60代 0.6 0.5 1 0.4 0
男70代以上 0.6 0.4 0.9 0.5 0
女70代以上 0.6 0.3 0.7 0.3 0.1

10代・20代がすごい

 10代と20代は、ほぼ全項目において平均を上回っている。上回り方が半端無い項目もある。

年齢 単行本 文庫新書 週刊誌 月刊誌 マンガ
全体 0.8 0.6 1.4 0.7 1
男10代後半 3.4 1 2.8 1.1 6.7
男20代 1.3 0.6 4.1 0.8 3.1
女10代後半 1 0.7 0.8 1.2 3.4
女20代 1.1 1 1.2 1.3 1.9

オバサンは本を読まない

 40代・50代の男性は平均以上の項目があるのに対して、同年齢の女性は平均以上が1つも無い。オバサン…ランチなんか食わないで本買おうよ。

年齢 単行本 文庫新書 週刊誌 月刊誌 マンガ
全体 0.8 0.6 1.4 0.7 1
男40代 0.7 0.7 1.5 0.9 1
男50代 0.8 0.7 1.5 0.6 0.3
女40代 0.7 0.6 1.1 0.6 0.4
女50代 0.6 0.6 1 0.5 0.2

まとめ

 ざっくりまとめると、

  • 多く本を読んでいるのは若い世代で、40・50代のオジサンがそれに続いている」
  • 「本を読んでいないのは、オバサン・ジジババ」

ということになるのかな。
 今回の「若者ほど本を読んでいる」という事実と「少子高齢化」という社会状況から考えると、出版業界はマジでお先真っ暗先細りな業界だと思う。主要顧客がどんどん減っていくのだから。
 さて、どーしようか。本が売れないと給料が出ない。若者にもう1冊買ってもらうのは厳しそう。ジジババは体力・視力的に厳しいところがありそう。そうなると、体力に問題が無く、また財布にも余力のありそうなオバサンに本を売る方法を考えるべきか。
 というわけで、ババア向けフェアを考えようと思う。それも担当の新書コーナーで。どんなフェアだよ全く。

番外編

 書店員としては、どの層がどれだけ本を読んでいるのか以上に、どの層がどれだけ書店にお金を落としてくれているのかが気になる。そこで、平均読書冊数ではなく平均本購入費用にしてみた。
 計算式:1ヶ月の平均読書冊数*平均価格*2、文庫・新書600円*3、コミック470円*4で計算しました。

結果

世代 金額
男10代後半 9,217
男20代 5,008
女10代後半 4,089
女20代 3,855
男30代 3,517
男40代 2,650
女30代 2,302
男50代 2,279
女40代 2,029
男60代 1,804
女50代 1,733
女60代 1,525
男70代以上 1,489
女70代以上 1,310

 ちょっと信じなれない結果が…。1ヶ月およそ1万円も使うとは思えないのだけど…。もしや読んでると言っても図書館や貸し借りで、書店で購入してないとかorz

*1:有意差?とか一切無視です

*2:すごく…自信ないです)  平均価格は、単行本1191円、月刊誌536円、週刊誌296円((http://www.shoten.co.jp/nisho/bookstore/shinbun/view.asp?PageViewNo=4894

*3:http://www2.chuo-u.ac.jp/library/kitebaishokinsenhyo.htm

*4:私の想像値。これくらいじゃん?